これじゃ、いくらなんでもかわいすぎるでしょ……。私はハッと我にかえりミサキを見つめる。ミサキは
まだ頭の整理がついていない様子で、瞬きもせずにそれをじっと見つめていた。私はマサルの顔とその小さ
なものを照らし合わせるように見つめ、そしてその照合が一致するとそこにあるあまりのかわいさに失神寸
前だった。初めて自分のあれが濡れるのを感じる。ああ、これならマサルが人に見せられない理由がよく分
かる……、だって太さはペンのキャップくらいはあるかもしれないけど、長さといったらその半分もないん
じゃないかしら……。
「お姉ちゃん」、その声に私はまたドキッとした。ミサキは私の方を向き、新しい生命体を発見した研究員
のような顔から、あのいたずらな満面の笑みを浮かびあがらせた。「私の勝ちね」
「え?」、私は咄嗟のことに理解できなかった。
「賭けよ、賭け。お姉ちゃんが触るのよ」、そう言うとミサキは両手がふさがれているので顎を動かし、
「早く」と合図した。
「賭け」、私はそのことをすっかり忘れていたのである。そうか、マサルは毛が生えていなかったから……、
いや、それどころかこのサイズじゃ話にならないでしょ……。「早く」とミサキがまた顎をしゃくる。どうし
よう、本当にさわっていいのかしら……。そんなことを考えながら私はそれに顔を近づける。わずかに石鹸の
匂いがする。ああ……、これはやばい……。……、よし……、触ってやるぞ……。右の掌を包むようにその上
へかざす。何というか、そこの温かさが手に伝わる気がした。少しずつ目的の場所へ下ろしてゆく。その白い
やわらかそうな物体は私の手から5センチもないところにある。そこまで下ろすと私は手を人差し指だけ出し、
さらに降下させた。2センチ、1センチ……、私の指は震えていた。
 ペタ……。一瞬だったが私の指はそれの少し膨らんだ部分に触れたのだ。咄嗟に手を引きマサルの顔を見る。
マサルは相も変わらず愛くるしい寝顔を見せていた。ミサキの「どうだった? どうだった?」というささやき
に、ちょっと待って、と答え、もう一度指を下ろす。私は触った瞬間にマサルが起きやしないか心配で、咄嗟に
離してしまったのだ。今度はさらに慎重にその上へ指をかざす。