いつも通りの居酒屋へ行って、お酒、凄く飲みました。
職場の、仲のいい先輩です。
性別は男性です。
面倒見のいい人(おそらく性格的に)なので、
今日も快く付き合ってくれました。
方向が一緒のため、帰りが遅くなりすぎた日は、
タクシーで一緒に帰ります。
先輩のアパートが私より近いので、
先輩がいつも先に降りるんです。
今日も遅くなりすぎて、タクシーで帰ることになりました。
ただ、今日は、タクシーに乗り込んで早々、
先輩、薄暗い車中でも分かるほど青い顔になって…。
「先輩、顔色悪いですよ。大丈夫ですか?」
「うん…。大丈夫だよ。」
全然大丈夫そうじゃない。
そういえば、風邪気味って言ってた。
タクシーの移動中、だいぶ辛そうでした。
「じゃ、またな。」
ってタクシー降りた先輩が、
荷物を忘れて立ち去っていくところを初めて見ました。
タクシーを精算して、私も降りることにしました。
「先輩、待ってください。」「えっ?どうした?」
駆け寄って、
「荷物!忘れてます。」
「なにーまじか。あいたた、悪い。……うっ。」
先輩、口元、抑えてる。
「鍵、これですか?部屋は?」
「……。」
指さした先に駆けて、
「ここですか?X号室?」
頷く先輩。
「開けますね!」
早く鍵を開けたかったけど、もたついてしまいましたが…。

パタパタと部屋にお邪魔ししました。
電気つけて、ストーブつけて、パタパタ。
先輩は、水で絞った冷たい濡れタオルを(タオルの場所は聞きました)を
顔にかけて、ベットに横になってます。
「ありがとう。帰って大丈夫だから、タクシー呼んで。」
「…はい。」
そのまま、少し先輩を見てたら、寝息が聞こえ始めて、
ちょっと安心しました。
安心したら体の疲れを感じて、
その場に座ってしまって。
気が付いたら寝てたみたい。
テーブルを背もたれにしてて、背中が痛い…。
そっとタオルを取って、先輩を見ると、
顔色、良くなってる。
たぶん、もう大丈夫そう。
先輩、そんなにお酒強くないって、
いつも、ゆっくりペースで飲んでる。
今日も、いつも通りのペースに見えたから、
風邪もあってで、具合が悪くなったのかな。
こんな先輩初めて見たから、凄くびっくりしたんです。
ふーっと安心して、冷静になると、
ここは、先輩の住んでる部屋なんだって、
先輩の部屋にいる現実にびっくりしました。
しばらく彼女いないっていってたからか、
シンプルな部屋。
ただの後輩の私が、あんまり見ちゃだめだよね。
たまたま入ることになっただけだし。
だけど、どことなく、先輩らしい部屋かもって思った。
時計は3時を過ぎてました。
帰ろうかと思ったけど…。
私、ずっと先輩の事、好きだったんです。
(先輩…)
先輩の部屋で、先輩の眠ってる姿を見てる。
こんなの、彼女ならあたりまえに見れる風景なんだろうな。
(先輩…)
その時、思い付いちゃって(凄いよ、私!)
撮っちゃったのは写メ。
宝物にしようって、先輩の寝顔写メ。
撮ったのは、良かったのだけど…。