俺は今大学2年の20歳。
妹と妹の友達は、高校1年生で16歳かな?
妹が小学校の時からよく一緒に遊んでいた奈央ちゃんという子がいるんだが、昔から
「可愛いなー」
とは思っていたんだ。
大学1年の夏に実家に帰ったら妹が友達を4、5人連れてきてて、その日は俺の家でお泊まり会をするとの事だった。
妹が連れてきた友達の中にはその奈央ちゃんもいたんだ。
最初妹と妹の友達が家に入って来た時に奈央ちゃんから
「お久しぶりです!」
みたいな事言われて嬉しかった。
その日の夜に俺が部屋でマンガを読んでいると、妹が友達を連れて俺の部屋に来たんだ。
どうやら妹の部屋でやる事がなくなって俺の部屋に漫画を読みに来たらしい。
部屋に15、16歳の女子が5人もいるなんて状況俺は耐えられそうになかったので、
「漫画なら貸すから読み終わったら返しに来い」
と伝えて銀魂とかワンピースとか適当に貸してやった。
そして妹らが部屋を出て行く時に
「夜ヒマだったらいつでもおいで!」
と妹の友達らに変態じみたセクハラ発言をしたんだ。
もちろん冗談のつもりでな。
その日の夜、深夜2時くらいだろうか。
音楽かけながら部屋でバキを読んでいた時の事だ。
そろそろ寝ようかなと思っていると部屋のドアがノックされた。
家族は俺の部屋に入ってくる時にノックはしないからおかしいなと思った。
1度部屋でオナニーをしている際に兄が俺の部屋に入ってきた事があった。
それを懸念して兄がノックして確認をしているのかと思った俺は
「入っていーよ」
って言ったんだ。
そしたら
「失礼します」
と入ってきたのは奈央ちゃんだった。
俺はその瞬間にこれからセックスまで行くのだな、と確信した。
しかし現実はそう甘いものではなかった。
俺はもう何が起こったのかわからなかったので
「え?え?」
ってなってた。
奈央ちゃんも何も言わないでドアの前につっ立ってて何も喋らない。
「アヤノ(妹)は?」
と聞いてみたんだが
「一人で来ました」
と言ってきたので
「ああ、漫画?本棚から勝手に持ってっていいよ」
と言ったら
「みんな寝ちゃって暇になったので遊びに来ました」
と言ってきた。
そもそもそんなに奈央ちゃんとは話した事がないので凄く焦った。
「うーん、俺の部屋に来ても漫画しかないから暇だよ?w」
と言ったんだが
「『暇だったら遊びに来い』って言ったじゃないですか!」
と言ってきたので
「漫画でも読んで眠くなるまで待てば?」
と言ったら
「漫画を読むならアヤノの部屋でもできるじゃないですか」
と言っていたのでこいつは俺の肉棒を求めているのだなと確信し…略。
俺「俺の部屋でしかできない事なんてないでしょw」
奈央「お兄さんと話したりできるのはこの部屋だけじゃないですか!」
俺「まぁそうなるね、けど今は携帯電話というものがあってだね」
奈央「なら連絡先教えてくださいよ!」
と言われて俺は奈央ちゃんと連絡先を交換した。
正直こんなに積極的な子だとは思わなかった。
それでも奈央ちゃんは帰らなかった。
まぁ帰って欲しくないと思ったのも事実。
俺「テレビゲームならあるけどそういうの興味ある?」
奈央「興味ないです」
俺「そっかーじゃあ何もやる事ないね」
奈央「お兄さんの顔を見ながらお話できればそれでいいです」
この後の沈黙は長かった。
一体何を話していいものか、と。
「学校どう?」
とか
「部活は?」
とか色々話した気がするが、どれもこれもすぐに話が終わってしまって会話が続かなかった。
こんなに気まずいなら早く帰ってしまえとさえ思ってた。
そしたら奈央ちゃんが部屋の物色をし始めた。
特に見られて困るものなどないので放っておいたら、以前付き合っていた彼女と使うために買ったコンドームを持って
「これ、何ですか?」
と聞いてきた。
"何ですか?"と聞いている奈央ちゃんの目は完全にそれが何か知っている目だった。
俺は
「ここだ」
と思って
「SEXする時に子供ができないようにするものだよ」
と言った。
奈央「えー、なんでこんなものあるんですかー?」
俺「前に彼女と使ってたからだよ」
奈央「へー」
俺「奈央ちゃんはした事ある?」
奈央「ないです」
俺「してみたい?」
奈央「はい、してみたいとは思ってます」
俺「してみる?」
奈央「今生理来てるんですよね」
俺「そっかー」
ギンギンになった俺のブツはどうしていいものか困った。
その日はなんやかんやで奈央ちゃんが眠くなったらしいので妹の部屋に返した。
数日後、奈央ちゃんからメールがあった。
「こんにちは。この前は凄いドキドキしました!迷惑じゃなかったらしばらくメールに付き合ってください」
と書いてあった。
「こんにちは。俺もこの前はドキドキしたよ。大丈夫だよ。メールしよう!」
と返した。
奈央ちゃんは"連絡先を交換した事は妹に内密にするように"と言ってきた。
何でだろうと思ったが、妹に話す義理もないので黙っておいた。
しばらくメールしていると
「分かってるかもしれませんが、私はお兄さんの事が好きです。良かったら私と付き合ってください」
というメールが来た。
そこから俺は奈央ちゃんと付き合う事になった。
その日からというもの、夏休みという事もあって奈央ちゃんは部活が休みになるたびに俺の家に泊まりに来た。
妹が寝るまでは妹の部屋、妹が寝たら俺の部屋にくるみたいな感じだった。
もちろんその生活の中で奈央ちゃんとは何回もヤッた。
ある日、妹に付き合っている事を打ち明けようと思って、その旨を奈央ちゃんに話してみた時の事だ。
すると奈央ちゃんは少し苦い顔をしたが
「まぁいいですよ」
みたいな事言ってくれた。
妹に
「お前の友達の奈央ちゃんと付き合ってるんだよね」
と言ったら妹は
「え?マジで?大丈夫?」
みたいな事を言ってきた。
俺は何かやばい気がしたので
「どういう事だ?」
と聞いてみたんだが妹は
「ちょっと話していい事なのか分からないから言えないわ」
みたいな事を言って話そうとはしなかった。
妹は、"兄が友人と付き合っている事に驚く"というより"友人が誰かと付き合っている事"に驚いているようだった。
奈央ちゃんにその話をしてみたら
「実は………」
とおもむろに話し始めた。
奈央ちゃんが教えてくれた事と、後に妹が教えてくれた事をまとめると、奈央ちゃんには前に彼氏がいたらしいのだがその彼氏がヤバいらしい。
何がヤバいかと言うと、精神的にヤバい人で、奈央ちゃんは別れたつもりらしいのだがその彼氏は今でも付き合っているつもりらしいのだ。
高校に入って奈央ちゃんが仲良くなった男子に喧嘩を売ってボコボコにしたり、とにかくぶっ飛んでる奴らしいのだ。
奈央ちゃんはその彼氏の耳に俺の情報が入るのを恐れて誰にも言わないつもりでいたらしい。
次の日、妹に付き合っている事を明かした事を存分に後悔した。
奈央ちゃんの話によれば学年中に広まっていたらしい。
妹はビックリするほど口が軽いのだ。
それから数日後。
知らないメールアドレスからメールが入った。
「俺の奈央に何してんだ?」
内容を見て全てを察した。
でも俺は一応
「どなたですか?」
と返した。
すると
「奈央の彼氏だよ」
と返ってきた。
俺「で、何の用でしょうか?」
準(後にわかったそいつの名前)「出てこいよ。お前んちの前にいるから」
俺は窓のカーテンを少しだけ開けて庭を見た。
知らない男が1人で立っていた、自転車に乗って。
また、この庭が戦場になろうとしているのだ。
かつてここであったエアガンによる惨劇を思い出させる。
俺は出ていこうと思ったのだが、ひと通りの会話を先に想像して円滑に会話が進んで丸く収まる方向で行けるように十分シミュレートしてからそいつのところに向かった。
2階の窓から見た時はあまりそうは思わなかったが、その男の前まで行ってみると思ってたより随分と華奢な男の子だった。
準「あなたが奈央に手を出したっていう人ですか?」
俺「(思ったよりナヨナヨしてるな)うーん、付き合ってるつもりだけど………」
準「何歳ですか?」
俺「19だけど」
準「そうですか」
俺「で、何の用?」
準「今日は帰ります」
俺「?…気をつけてな」
そのまま準くんは帰っていった。
一体何をしに来たのだろうと思っていたら、夕飯時に準くんからメールが来た。
準くんからのメールはこういったものだった。
「さっきの舐めたような態度は気に食わない」
俺は
「実際に会って話すのとメールの態度、随分と違うね」
と返した。
すると準くんは
「黙れ」
とだけ返信してきたので、言われた通りそこで返信をやめたんだ。
そして数日後の事だ。
俺の家の電話が鳴った。
母が出て、しばらく申し訳なさそうに話した後に
「あんたに代われって言ってるよ。あんた何したの?」
と言ってきた。
電話に出てみると
「あなた準ちゃんに何したの!!!?あなたが準ちゃんをいじめたの!!!??」
などと怒涛のようにババアの声が聞こえてきた。
この時点で悟った。
面倒な事になった、と。
ババアが
「今からあなたの家に伺いますからね!!!」
と言ってきて勝手に電話を切りやがった。
数分後、家の玄関が開いた、凄い勢いで。
そこには太ったババアと準くんの姿があった。
「俺くんに話があります!!!」
と言ってきたが、家の中で家族に見られるのも嫌だったので、家の近くの公民館の駐車場に行ってババアと準くんと俺の3人で話す事になった。
ババア「うちの準ちゃんに何したの!!?」
俺「俺は何もした覚えはありません。準くんが俺に何かされたと言っているなら準くんに聞いてみればいいんじゃないですかね」
ババア「準ちゃん!何されたの!?」
準「………」
ババア「何で黙ってるの!?お母さんと一緒にこの人をやっつけましょ!!」
俺「………w」
ババア「あんた何笑ってんのよ!!!」
俺「すみません、けど用事がないなら帰らせていただきます」
バ「ほら、早く言いなさい!準ちゃん!」
準「彼女取られた」
ババア「なんですって!!!」
準「大好きだったのにいぃぃぃぃ(泣)」
ババア「準ちゃんの彼女返しなさいよ」
俺「奈央さんは準くんとは別れたと言っていたのd」
バ「返しなさいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
準「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
さすがに近所迷惑だと思ったので俺は
「あの、すんません、静かにしてください」
と言ったそれでもババアは
「息子の彼女が取られて黙っていられるもんですかぁぁぁぁぁぁ」
みたいな事言って静かにならなかったんだ。
近所のおばさんが家から出てきて俺らの事を見つめていたので、通報されたら大変だと思い、とりあえず静かにさせるために
「分かりました!!彼女と話し合ってみます!!」
と言ったら
「絶対別れなさいよ!!!」
とババア。
ババアどもは帰ったのですが、そこであった話を奈央ちゃんに話してみると
「じゃあ別れよっか」
となんかあっさりしててそのまま別れる事になった。
正直凄まじい喪失感だった。
別れてから数日後の事である。
準くんからメールがあった。
「本当に別れてくれたんですね。もう絶対奈央とコンタクトを取らないでくださいよ」
との事だった。
それ以来ババアも準くんも俺に何もしてきませんが、今でも奈央ちゃんとは付き合っている時のようにメールもしていますし、俺が実家に帰ってきた時などは遊びに来てくれます。
別れたような感覚は全くないです。
奈央ちゃんに
「あれから準くんとは付き合ってるの?」
と聞いてみたら
「中学卒業してからは会う事もなくなったよ?」
だそうです。