地元の駅で友達と待ち合わせをしていた時の事。
『30分ほど遅れる』
と友達からメールが入って、俺は駅の近くで暇を潰す事になった。
駅の近くには俺も小さい頃遊んだ公園があって、俺はそこのベンチでコーヒーを飲みながらぼーっとして、公園を駆け回る子供達を眺めていた。
少年達が楽しそうにサッカーをしている。
少女達が砂場で何かを作りながらキャッキャと喋っている。
そろそろ肌寒くなってくる季節、夕方の公園というのは何となくノスタルジーを刺激される。
俺も昔はこうやって遊んだなー…とか思って少し切なくなっていた時、1人の女の子が目に止まった。
公園には動物の形をしたオブジェのような遊具がいくつか点在している。
デフォルメされたプラスチックの馬だの犬だのに子供が跨って遊べるようになってるやつだ。
その女の子は、青色のアシカのオブジェに跨って、まるで乗馬でもしているかのようにユラユラと前後に体を揺らしていた。
小学2年生か3年生ぐらいだろうか。
髪を2つのおさげにして、白いトレーナーにデニムのスカートを穿いている。
穏やかそうで、どちらかと言うと真面目っぽいタイプの女の子。
実写版のちびまる子でたまちゃんをやってた子に少し印象が似ていた。
なかなか可愛らしい顔立ちをしている。
どうしてその子に目が行ったかというと、可愛いかったというのもあるかもしれないが、どこかに違和感を覚えたからだ。
まず、公園で1人きりで遊んでいる子はこの子だけだった事。
次に、遊んでいるにしてはやけに神妙な表情だった事。
最後に、その子のユラユラする動きが少し妙だった事。
俺はジッと少女を見ていた。
前後にユラユラ揺れる動きが、だんだんアシカの背中に股間を押しつけるような動きになっていく。
少女は時折ピクッと細い喉を仰け反らせ、いやいやをするように首を振ったりする。
まだ子供なのにその仕草は妙な色気を放っていて、俺は少女から目が放せなくなる。
見てはいけないものを見てしまったような気がした。
それは、明らかに股間を刺激する事で快感を味わっている顔だった。
俺は自分の目を疑いながらも、ドキドキしながら食い入るように少女を見つめた。
そう言えば俺も小学生の頃、それがオナニーだと知らずに銭湯のジェットバスの湯に股間を当てて悶えていた事があった。
この子はきっとまだこの行為の意味を分かっていないのだろう。
少女は強く目を瞑り、はぁはぁ息をしながらいやらしく腰を揺らしている。
その腰遣いと言ったら完全に騎乗位の動き方で、股間をアシカの背中に擦りつけて快感を貪っているのがよく分かる。
ああするとクリトリスが圧迫されて気持ちいいのだろうか。
腰の動きは一瞬も休まる事がない。
だんだん頬が赤くなっていく。
少女はふっくらした桃色の唇を半開きにして、熱い吐息を吐き出している。
少女が腰を揺らすたびに体が次第にずり落ちてきて、少女は体を支えるためにかアシカの首に腕を回してギュウッとしがみつく。
スカートは派手に捲れ上がっていて、白い太股がほとんど丸見えだ。
スカートの布地が申し訳程度にお尻だけを隠しているが、その小さなお尻は大人の女にも負けないほど卑猥にくねっている。
俺は無意識のうちにベンチから立上がり、気付かれないように静かに少女に近付いていた。
少女は腰を振って快感を得るのに没頭していて周りなんか見えていないようだった。
少女の動きは他の子供にも奇妙に感じられたようで、砂場の女の子たちは気づいていなかったが、サッカーをしていた少年の内数人は不思議そうに少女を見つめている。
少女はもうアシカに覆い被さるような体勢で、グイグイ腰を揺らしている。
まるで少女がアシカを犯しているようにも見えた。
「はあ、はぁ、はぁ…はぁ、ふ…ぁ…」
そばにあった滑り台の辺りまで近付くと、少女の荒い息遣いがハッキリ分かる。
ほのぼのとした公園が、少女の周りだけ背徳的な空気に包まれている。
「はぁ…はぁ、はぁ、は…あぁ、ん…っ」
必死で我慢しているようだが、ごく小さな甘い声が切れ切れに漏れていた。
快感に耐えきれないのか少女は激しく首を振る。
2つのおさげが揺れる。
「はぁ、はぁ、ん…っは、んぁ…っんっん…っ!」
少女は切なげに眉間に皺を寄せ、頬ばかりか耳まですっかり紅潮させていた。
薄く開いた唇から漏れる喘ぎ声。
腰の動きが一層激しくなっていく。
「は、ぁ…んっんっんぅ…っ!」
ピンクのスニーカーを履いた爪先がぴんと伸び、少女はぎゅう…っとアシカの首にさらに強くしがみつく。
絶頂が近いのか。
腰が一際激しくグイグイと動く。
「ん…っんっんっん、っ…ふ、ぁ…ふ、ん、ん…っは、ん――ッ!」
今までで1番ハッキリ漏れた声と同時に少女の体が大きく仰け反り、びくびくっと少女の全身に震えが走る。
数秒間その状態が続き、次の瞬間少女はぐったりと脱力した。
少女がイってしまったのは明白だった。
同年代の少年や俺みたいな男に見られながら、この子は絶頂に達してしまったのだ。
「は…ぁ…ふぅ、はぁ…はぁ、はぁ」
少女は恍惚とした表情で荒い息を吐き、余韻を味わうようにゆるやかに腰を動かしている。
やがて少女は名残惜しそうに立上がり、軽くスカートを直してからどこかふわふわした足取りで公園を出ていった。
俺は少女の小さな背中を呆然と見送りながら、完全に温くなった缶コーヒーを握り締めていた。