大学3回生の頃の話。

ある冬の日の夜、仲のいい男女6人で飲んでいた。ちなみに女の子の部屋で。

みんなかなりテンションが高く、隣の部屋から壁をドン!とされるぐらい盛り上がっていた。

しかし俺は前日から徹夜だったせいか、すぐに眠りに落ちてしまった。

ふと目が覚めると部屋は暗くなっていた。体には布団がかけられていた。けど雑魚寝だから寒い。周りには誰もいない。この部屋の女の子もいない。

廊下の方を見ると電気がついていて、ドライヤーの音が聞こえた。ん?ドライヤー? 意識がだんだんはっきりし…状況理解&勃起。

とりあえずこの状態では起き上がれないので、収まるまで布団の中にいることにした。すると、いつの間にかまた寝てしまった。

再び目が覚め体を起こし周りを見渡すと、ベッドで女の子が携帯をいじっていた。

女「あ、目覚めた?みんなもう帰ったよ。」
俺「まじで?なんで起こしてくれなかったの?」

女「帰るときに一回Tくんが起こしたんだけど、Aくん(俺)が超不機嫌そうな顔してまた寝たから、怒ってみんな連れて帰ってった(笑)」

俺「…そっか。悪いことしたな。」

俺は寝ぼけ眼で帰り支度をしていたら
女「あ、帰る?」と聞かれ

俺「うん、帰る。長居してごめんね。みんなにも明日謝っとくわ(笑)」
と言ったあとしばらくして、

女「もし帰るの面倒だったら泊まってもいいよ。外は雪だし…」
…心臓バクバク。
俺「え…いいの?」

女「うん、あたしは全然いいんだけど、もしかしてAくんは他の人の家で寝れないタイプ?」

俺「さっきまでここで寝てたけど(笑)」
女「あ!そうだったね!ごめんごめん(笑)」

か、かわいい…普段からかわいいとは思ってたけどなんだか今はいつもの10倍かわいく感じる。

俺「でも、男と2人っきりだと怖いでしょ。何されるかわかんないよー(笑)」
なに言ってんだ、俺。

女「あはは(笑)でもAくんは何もしてこないだろうなぁっていう、安心感っていうか、なんていうか、信頼っていうか…だから大丈夫だよ!」

俺「そっかぁ、ありがとう!」

嬉しいこと言われてるんだろうけど「今日は一切エロ無しですよー」と遠まわしに言われたような感覚になり、しゅんとする。男として見られてないのか。

女「Tくんも言ってたよ。Aは手出してこないよ、チキンだから。って(笑)だからあたしは大丈夫だよ。」

俺「ははは(笑)そっかぁ(笑)」
あいつに謝るつもりだったが、撤回だ。

女「じゃぁそろそろ寝よっか。あ、床でごめんね!寒い?」
俺「ん、いや、大丈夫。」

俺は勝手にイラっとしてたので、強がって大丈夫と言ってしまった。かなり寒いっす。

女「そう?寒かったら言ってね。じゃぁおやすみ。」
俺「うん、おやすみ。」

妙な興奮と寒さが相まって寝付けない。

ごめん、やっぱり寒いと言ったらどう対処してくれるんだろうか。暖房?さらに布団? ゆいちゃん(女の子の名前)はもう寝ただろうか?

これでもし寝てたら本当に俺がなにもしてこないと安心してるんだろうな。さらにショックだなぁ。とあれこれ15分間ぐらい考えていると

俺「へ、ヘックション!」
鼻水じゅるり。この寒さなら当然だ。

ゆい「大丈夫!?寒いよね、ごめん…」
男「大丈夫大丈夫。俺鼻炎だから寝るときくしゃみでるんだ。こっちこそ起こしてごめんね。」

なに嘘をついてまで強がってるんだ俺。(笑) と、そのときだった。

ゆい「こっち…来る?」
え?
俺「こっちって…え?どゆこと?」

思わず動揺して確認してしまう。我ながら情けない。
ゆい「…一緒に寝る?」

俺は素直にうんと言う勇気も無くぼーっとしてしまう。なんという根性なし。
ゆい「あ、一緒寝るとかイヤだよね。ごめんね…」

俺「ち、違う!いやとかじゃなくて、緊張して…じゃぁ、一緒に寝てもいい?」
そう言うと、ゆいちゃんは嬉しそうにはにかみながら頷いた。

もう喜びと興奮が体中を駆け巡る。こんなの寝れるわけがない(笑)

俺「じゃ、お隣失礼します。(笑)」
相変わらずムードもくそもない俺(笑)

ゆい「どうぞー(笑)じゃぁ、今度こそおやすみなさい。」
俺「おやすみ」

かつてこれほどの生き地獄を味わったことがあるだろうか。シャンプーのいい匂い、片方の腕から伝わるぬくもり…

息子も悲鳴をあげているかのように勃起している。
もんもんとした状態が延々と続く。興奮が蓄積されていく。

ふと視線を感じ、ゆいちゃんの方をみると、目があってしまった。お互い可笑しくて笑ってしまう。

ゆい「眠れないね(笑)」俺「うん(笑)」
その後沈黙が流れる。気まずい。