私が、妻の浮気・妊娠の一件で離婚してから1年半ぐらいが経つ。
ずっとずっと、悔しくて、恥ずかしくて、腹が立って、情けなくて信じられない毎日をすごしてきたが、やっと傷口が閉じ始めたかな。あまり、性的な描写はないですが、実話なので。
 昔ふられた彼氏と偶然再会したらしい。人妻だと聞いて、また、取り上げて遊んでやれと思ったに違いない。馬鹿な女だ。
確かに、妻は処女ではなかった。気の小さい私は、怖くて過去のことは何も聞けなかった。でも、正直「ゆるゆる」いや下品だが、ガバガバという言葉が似合うあそこだった。
 第一発見者は、なんと、同一県内に住む私のおばからだった。「あなたの奥さんにソックリの人が、背の高い同じぐらいの歳の男と腰をだきながら恋人のように歩いているのを見た。」というのだ。見据えたら、目をふせて顔をそらせたらしい。私は妻に問いただすのが怖かった。そのまま、放置しておいた。
 ある日、妻が私に言った。「私、赤ちゃんができたみたい。」おばの言葉が、頭から離れなかった。なんというべきだろう。妻自身、私の反応を見て、少しオドオドした態度になったが、勢いで乗り切るように。
「望んでなかったかなぁ、でも私はすごくうれしいんだ。イエーイ。」
「僕だってうれしいよ。イエーイ」そういうのが精一杯だった。
その日から、毎日苦しかった。興信所を頼むことを決意した。
 興信所からの報告は、多いときには週3回も、電車で3駅先まで出かけていき、駅前で相手と待ち合わせ、車に乗ってホテルに出かけていたようだ。心臓が止まりそうだった。初めて男の写真を見た。背が高くてイケ面、いかにももてそうな男だ。打ちのめされた。相手の職業はフリーターのようだった。後から気がついたが、うちの預金も100万単位で減っていた。ホテル代、遊び金から、性欲の処理まで。まだ早い段階とはいえ妊娠した体で甲斐甲斐しい女だ。おんぶにだっこ状態だったんだろう。
 後日、俺は、妻に切り出した。
「興信所頼んだんだ。証拠も十分ある。ホテルAとかね。別れてくれ。」妻は、少しドギマギした態度を見せたが無言だった。その日はお互い別室で寝た。翌朝、「手切れ金が欲しい。」そういう妻に、
「バカも休み休みに言え。殴られたいのか。」私は、激高した。
「あんたの妻が寝取られておもちゃにされてる写真、会社に送るよ。「孕ませちゃってすみません。」ってコメントつけて。きれいに別れてあげる。もう何も言わないから。」
「相手の男を訴えてやる。」
「情けない男、法廷にみんな連れといで。私たちの激しい肉体関係全部話してあげるから。毎日疼いちゃって私のほうから誘ってベトベトにして出かけてったの。」
 妻が、勝負に出てきていることはわかった。俺は、胸倉をつかんで発狂しながら、2発、3発殴った。
「これで、おあいこでいいでしょ。彼のところ行くわ。家庭内暴力に苦しんで逃げ込んだってことで。」
私は、一思いに殺してやろうかと思ったが、がっくり地べたにしゃがみこんで何もしなかった。その後、帰ってこなくなった妻と調停をやった。「奥さんは、裁判で家庭内暴力を訴えるっていってますよ。悔しいこともいろいろあると思いますが、ここは手切れ金を少し出してやるのが賢いかと思います。」調停員はそういった。
 今でも心では妻を恨んでいる。でも、正直、妻の裸や体が恋しい。一人で慰めているときも、妻とのセックスを思い出して興奮している。プリプリしていい体ではあったが、もうユルユルだったあそこ。さんざん使い古された体でさえ、私からは、舌を出して逃げていった。悔しい、でも寂しい。